Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans
「うん?」
「わたし、うれしい」
「どうした?」
「わたし、……金さんのおかみさんに、なるつもりだったよ。……こうやって、金さんに介抱されて、死ぬの、うれしいわ」
「そんな気の弱いこと、いいなさんな。死にはせん。死にはせん」
「わたし、もう、……死んでも、ええ」
「死ぬな。死ぬな」
「しっかり、抱いて……」
「これで、ええか」
金五郎は、蒲団のうえから、タカをくるむようにして、抱きしめた。
マンは、物かげに潜んでいたが、これ以上、見るに耐えなかった。また、走った。マンが立ちどまっている間に、チヱは、とっくに、林助のところに帰ったとみえて、姿がなかった。
マンは、嘗て、二度ほど、タカから嚇かされたことがある。
「おマンさん、金さんはわたしのもんよ。手出ししたら、あんた、命はないものと思うとんなさい」
タカは、マンだけにではなく、浜尾組の独身女仲仕は、全部、そういって、脅迫していた。よっぽど、金五郎に惚れていたらしい。そのタカは、死に瀕している。
隔離室での、さまざまな光景を、マンは思いおこした。夫婦でも、別々にされている者が多かったが、つれあいの無事を祈っている者があるかと思うと、「コレラにかかりやがったのが、もっけの幸、あんな奴、死んだが増し」