Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなふぶき
花ふぶき
豊島 与志雄
Lisez 花ふぶき (はなふぶき) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 409 caractères · 20 écrans
おれのことばかりではない、彼女自身のことも、彼女は無視してるようだ。――嘉代さんの時折の言葉を綜合してみると、千代の正体が次第にはっきりしてくる。
いつも千代は、嘉代さんと一緒にお風呂に行く。そんな時、嘉代さんは千代をなるべく早く歩かせる。そろりそろりと、下駄をひきずって、重病人のように歩く、その歩調に嘉代さんが従わないで、自分の歩調に千代を従わせようとするのだ。普通の人のように歩く癖をつけてやろうと、訓練するためなのであろうか。
或る時、千代は嘉代さんに後れないよう、相並んで、街路を横ぎりかけた。とたんに、一台のトラックが疾駆してきた。嘉代さんは立ち止ったが、千代は二三歩先に出た。手をつないで歩いてたわけではないのだ。嘉代さんは息をつめて、千代の袖を捉えた。瞬間、トラックは鼻先をかすめて過ぎた。同時に、千代は捉えられてる片袖を振り払い、両袖を顔に押し当てて棒立ちになった。暫く動かなかった。
「まっ黒なつむじ風が通りすぎた。」と漸くに千代は言った。
「つむじ風じゃないよ。トラックよ。」
「いいえ、まっ黒なつむじ風だった。」
そして風呂屋に着くまで、トラックとまっ黒なつむじ風とが繰返されたのである。