Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなたばのむし
花束の虫
大阪 圭吉
Lisez 花束の虫 (はなたばのむし) de 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 17 893 caractères · 36 écrans
――すると、兇行の時間は、十時……?」
大月が訊ねた。
「ええ。ま、十時十五分から二十分頃迄だろうと思います。何分、不意に恐ろしい場面を見て、すっかり取のぼせて了いましたので――」
恰度この時いつの間にかやって来た例のカイゼル氏が、二人の会話に口を入れた。
「――つまり奥さんは、もう一人の証人である百姓の男に助けられる迄は、その場で昏倒していられたんです」
で、大月はその方へ向き直って、
「すると、その百姓の男と言うのは?」
「つまり奥さんと同じ様に、兇行の目撃者なんですがな。――いや、それに就いて若し貴方がなんでしたなら、その男を呼んであげましょう。……もう、一応の取調べはすんだのだから、直ぐ近くの畑で仕事をしているに違いない」
親切にもそう言って警官は出て行った。
大月は、それから夫人に向って、この兇行の動機となる様なものに就いて、何か心当りはないか、と訊ねた。夫人はそれに対して、夫は決して他人に恨みを買う様な事はなかった事。又この兇行に依って物質的な被害は受けていない事。若しそれ等以外の動機があったとしても、自分には一向心当りがない事。等々を答えた。