Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

よしとししゃせいちょう

芳年写生帖

野村 胡堂

Lisez 芳年写生帖 (よしとししゃせいちょう) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 626 caractères · 26 écrans

Aozora Bunko

「何んだ」

「お前さんは此間から、殺しも斬合いも梟し首も描いたが、女の、怨女の末期は手本が無いと言って居なすった」

「――――」

「幸い、この私の浅ましい姿、――息のあるうちに、描いて下さい、――せめてもの恩報じ」

芳年の膝を降りたおよつは、最後の力を絞り出すように、柱に縋ったまま、フラフラと立ち上るのでした。

「それはいけない、――お前の顔に怨は消えた。死ぬ苦しみはあっても、怨女の悪相は無くなってしまった」

まこと、法悦に似たものが、血みどろなおよつの顔を、仏作ってさえ見せているのです。

が、形勢は一瞬にして変りました。

此時、隣の物音に気の付いたお浜が、官兵を送り出した序に、庭の木戸を押し開けて、ヒョイと入って来たのです。

「あッ」

目の前に展開した、血みどろの光景に、お浜は逃げることも忘れて釘付けになりました。

「畜生ッ、お前が訴人したんだね、――この怨み、覚えてお出で」

お浜の顔を見ると、忽ちおよつに蘇生える怨み、柱に絡んだ身体が醜くく歪むと、眼も、口も、一瞬蒼白い焔を潜ったように、深怨無残の悪相が、メラメラと燃え上るのでした。

「助け――てエ」

あまりの事に、お浜は狭い庭の上に這いました。