Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちゃいろっぽいまち

茶色っぽい町

宮本 百合子

Lisez 茶色っぽい町 (ちゃいろっぽいまち) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 087 caractères · 8 écrans

Aozora Bunko

日本では、天平時代の絵で見るぎり、今でもハアプは数尠い楽器の一つだから、ましてその頃は珍らしい。父が外国から買って来た絵画の本に描かれているそれと同じハアプが裾の広い黒衣の、髪に只一輪真赤な薔薇をさした女と現れたのだから、私は感歎した。女は随分気高く、美しく、音楽も上手に思えた。ハアプが、ヴァイオリンのようではなく、ピアノのような音なのをその時始めて知った。女は、両手で絃を掻き鳴らしながら、高い、顫える声で三つばかり歌を唄って引っ込んだ。何を唄ったのだったか、果して本当に女が気高かったのか、上手に弾いたか、今になっては判らない。

――それから後――……そうそう、まだもう一度あの坂の中途まで行ったことがあったが――いずれにせよ、あの辺はつい近頃の馴染と云える。

二三度続けて散歩するうちに、何となく感じたのだが、神楽坂というところは、何故ああ店舗も往来も賑かで明るいくせに、何処か薄暗いような、充分燦きがさし徹し切れないようなほこりっぽいところがあるのだろう。布地にでも例えると、茶色っぽい綿モスリンのような雰囲気――つまり、どんなに燈灯が軒なみに輝いても、それを明快にキラキラ反映させる何かが無い、明るさを吸い込んでしまう。