Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きくやしき
菊屋敷
山本 周五郎
Lisez 菊屋敷 (きくやしき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 36 620 caractères · 71 écrans
「……まだお眼ざめでございますか」襖の向うでお萱のこえがした、「お邪魔いたしましてもよろしゅうございましょうか」
「いいえもうやすみます」志保はそう云って断わった、「……話は明日いたします、今夜はなにも聞かずに、どうかさきに寝てお呉れ」
「……でもお嬢さま」
お萱はなお心のこりらしかったが、志保が黙っているので、やがて自分の部屋のほうへ去っていった。
自分のことは自分がよく知っている、小松のことも知ってはいるが、批評の眼でみては正しい判断はできない、志保は不公正な考え方できめたくなかった、それで結局は「晋太郎の気持で決定するより仕方がない」と思った。幼ないということは、それ自身ひとつの正しさをもつ、成長しようとする本能は純粋だから、選択も迷いがなく、たしかであるかも知れない、……そうきめたときは心もすっかりおちついていた。それからしずかに立って、いつものように晋太郎の寝所を見にゆこうとしたが、それではまたみれんが起るかも知れないと思い、
「起きておいでかお萱」とばあやの部屋へ声をかけた、「……まだ起きておいでなら、お茶を淹れたいと思うのだけれど」
「はいお嬢さま、唯今お支度をしてまいります」