Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
なのはなものがたり
菜の花物語
児玉 花外
Lisez 菜の花物語 (なのはなものがたり) de 児玉 花外 (こだまかがい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 608 caractères · 5 écrans
愈よ不可思議な大和めぐりだと自ら呆れる、しかしこの狸の舌はなかなかに愛嬌の滑らかだ。
旅に乾いた唇を田舎酒に湿しつつ、少し善い心地になって、低声に詩をうたっているスグ二階の下で、寂しい哀しい按摩笛が吹かれている。私はこんな大和路の古い街にも住む按摩が、奇妙にも懐かしく詩興を深く感じた、そこで、早々二階へ呼上げたら彼れは盲人の老按摩であった。
蒲団の上に足を伸しながら、何か近頃この街で珍らしく異った話は無いか? 私が問うと、老按摩は皺首を突出して至って小声に……一週間前にしかもこの宿で大阪の商家の若者が、お定りの女買に費込んだ揚句の果に、ここに進退きわまって夜更けて劇薬自殺を遂げた……と薄気味悪るく血嘔を吐く手真似で話した。
私の顔色は青く、脈搏は嵩まったであろう。どこやらの溝池でコロコロと蛙の鳴音を枕に、都に遠い大和路の旅は、冷たい夜具の上――菜の花の道中をば絶望と悔悟と且つ死の手に追われ来た若者……人間欲望の結局に泣いて私は、尚お蛙の菜の花にひびかせて歌うに聴きとろけつつ……
ランプが薄ぼんやりと枕許に夢のように在る。
朝、眠不足な眼の所為か、部屋の壁に血のような赤い蝶が止っていた。