Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
なおこ
菜穂子
堀 辰雄
Lisez 菜穂子 (なおこ) de 堀 辰雄 (ほりたつお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 88 758 caractères · 173 écrans
その沈黙のうちに、いま私が少し許り上ずったような声で云った言葉がいつまでも空虚に響いているような気がして、急に胸がしめつけられるようになった。私はお前のいま考えていることを何んとでもして知りたくなって、そんな事を訊くつもりもなしに訊いた。
「お前は森さんのことをどうお考えなの?」
「私? ……」お前は脣を噛んだまま、しばらくは何んとも云い出さなかった。
「……そうね、お母様の前ですけれど、私はああいう御方は敬遠して置きたいわ。それはお書きになるものは面白いと思って読むけれども、あの御方とお附き合いしたいとは思いませんでしたわ。なんでも御自分のなさりたいと思うことをしていいと思っているような天才なんていうものは、私は少しも自分の側にもちたいとは思っていませんわ。……」
お前のそういう一語一語が私の胸を異様に打った。私はもう為様がないといった風に再び目を閉じたまま、いまこそ私との不和がお前から奪ったものをはっきりと知った。それは母としての私ではない、断じてそうでない、それは人生の最も崇高なものに対する女らしい信従なのである。母としての私は再びお前に戻されても、そういう人生への信従はもう容易には返されないのではなかろうか?……