Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
なおこ
菜穂子
堀 辰雄
Lisez 菜穂子 (なおこ) de 堀 辰雄 (ほりたつお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 88 758 caractères · 173 écrans
子供たちが退屈しはしないかとそれだけが心配だったが、むしろそんな山の中ではすべてのものが珍らしいと見え、いろんな花だの昆虫などを採っては大人しく遊んでいた。霧のなかで、うぐいすだの、山鳩だのがしきりなしに啼いた。私が名前を知らない小鳥も、私たちがその名前を知りたがるような美しい啼き声で囀った。流れのふちで桑の葉などを食べていた山羊の仔も、私たちの姿を見ると人なつこそうに近よってきた。そういう仔山羊とじゃれあっているお前たちを見ていると、私のうちには悲しみともなんともつかないような気もちがこみ上げてくるのだった。しかしその悲しみに似たものは、その頃私には殆んど快いほどのものに、それなくしては私の生活は全く空虚になるだろうと思えるほどのものになってしまっていた。
それから何やかやしているうちに数年が過ぎたのであった。とうとう征雄は大学の医科にはいった。将来何をするか、私は全く自由に選ばせて置いたのだった。が、その医科にはいった動機と云うのが、その学業に特に興味を抱いているからではなくて、むしろ物質的な気もちが主になっているのを知った時、私は、なんだか胸の痛くなるような気がした。