Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おちばいき

落ち梅記

山本 周五郎

Lisez 落ち梅記 (おちばいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 30 748 caractères · 61 écrans

Aozora Bunko

「母からの手紙で知ったのですが、公郷はやっぱりいけませんか」

「わたくしがいたらないのだと思います」

由利江は低いこえで云った。

「公郷の放蕩は、好きでやっているのではございません、見ていても苦しそうなことがたびたびございますの、放蕩をせずには、いられないような、なにか深い悩みがあるのだと思いますわ」

「――例えばどういうことか、あなたにはおわかりですか」

「ほんのおくそくではございますけれど」由利江は両手の指を絡み合せた、「――公郷の父もあのようにして老職をお退きなさいましたし、公郷も学問所から逐われました、父と子とつづいた不運、まわりのかたがたの冷たい眼、寄合席にいるというだけで、一生なすこともなく終りそうな身の上、……こういうことが重なって、ついじっとしていられなくなるのではないかと、思いますの」

金之助は頷いた。そうかもしれない。いやおそらくそれが事実だろう、由利江はさかしくも良人の心にあるものをみぬいているのだ、そしてそれを此処へ云いに来た気持も、金之助にはおよそ察しがついた。

「そう、たぶん仰しゃるとおりでしょう」彼は静かにこう云った、「――もしそれが事実だとすれば、彼には必ず良い機会が来ます、そう遠くない時期に、きっと彼の世に出る機会がやって来ますよ」