Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Lisez 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) de 小山 清 (こやまきよし) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 741 caractères · 486 écrans
私の部屋の壁にはってあるのがそれだ。私はイエのとこへはめったに行かない。しかし一年に一度は必ず行く。六月七日には必ず行く。しづちゃんの誕生日である。私はしづちゃんに貧しい贈物をする。自作の童話一篇。あるとき、イエが流石に私の大器晩成振りにもあきれて、私の不勉強を揶揄したことがあった。どうも私はあてなしの努力というものが出来ぬ性らしい。「恋文なら書けるのだが。」そんな冗談を飛ばし、「よし、それじゃ、これから毎年しづちゃんの誕生日には童話を書いて、それを贈物にしよう。」と云ったら、イエはまじめに賛成した。たわむれがほんとになった。しづちゃんの七つの年のことである。私としてはいわば背水の陣をしいた形になり、私は大家のように一年に一度締切日を持つようになった。だからイエの許にはいま私の童話の習作が三篇ある。なまけものの私には努力の結晶とてはこの他にはない。いまは私もこの童話には心を傾けている。この間イエに会ったとき私は云った。「僕はしづちゃんのために童話を十二篇書く。十二篇目を書き終る年には、しづちゃんもいいお嫁さんになる。僕はその童話を一冊の本にまとめて結婚の贈物にする。