Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くらのにかい
蔵の二階
豊島 与志雄
Lisez 蔵の二階 (くらのにかい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 351 caractères · 27 écrans
「あんな厚かましい、恩知らずの成り上り者は、もう家に寄せつけてはいけません。」
何をそんなに怒ってるのか、久子は尋ねかねたし、カヨもそれより口を噤んで、二階にひっこんでしまった。
食事は一階でみな一緒にするのである。桂介が帰ってきて、夕食の時に、カヨは言った。
「戦争に負けて、人間もみな悪くなった。昔は、政治に関係すると、損をしたものですが、今では儲けています。木村さんがそうです。あんな人と交際してはいけません。」
何のことか桂介にはよく分らなかった。亡父の正秋は、晩年、政治に関係するようになって、だいぶ家産を傾けたことは、桂介も知っている。家屋や敷地をカヨの名儀にしてあるのも、万一の場合を慮ってのことであろう。然しそれが、木村又太郎と何の関わりがあるのだろう。
カヨはもう、怒ってるというより、心配してる方が多いようだ。桂介が尋ねるのに応じて、美津子との破談の理由を打ち明けた。白壁造りの普請のことは、口に上る隙がなかったらしい。材木代や建築費はさし当って木村が立替えておいてもよいが、見積り金額の借用証を一札入れて貰いたく、ついては、昔から知り合いの間柄ではあるが、確実を期するため、白井家の現在の土蔵と地所とに抵当権を設定さして貰いたく、その代り利子はいらない、という条件に、カヨは腹を立てたのである。