Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くらのにかい

蔵の二階

豊島 与志雄

Lisez 蔵の二階 (くらのにかい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 351 caractères · 27 écrans

Aozora Bunko

母も一緒に土蔵へはいったことがあるし、あの時のことを、年老いた今でも覚えてる筈である。――その同じ土蔵なのだ。戦災に破損しているし、内部は住居向きに改造してはあるが、それでも土蔵たることに変りはない。入口の扉を閉め切ると、屋外の物音はあまり聞こえなくなる。二階とて同じであろう。実の笹藪の中の犬の足音など、果して聞き取れるであろうか。

然し、そのようなこと、桂介は胸にひめて黙っていた。

そのようなことを知らない久子の方が、桂介に囁くのである。

「お母さんの話、なんだかへんね。」

へんだというのは、遠慮してるので、実は気味わるがってるのである。

カヨに向っては、久子は、皆と一緒に一階に寝ることを勧めた。

カヨはちょっと襟を正すような様子で、きっぱり言うのである。

「わたしが下に寝たら、二階には誰が寝ますか。二階を空け渡すようになったら、この家ももうだめですよ。」

それは彼女の持論だった。二階には誰も寝なくてよいということが、どうも納得ゆかないらしい。彼女が一階に寝ることは、二階を誰か他人に空け渡すことで、そうなっては、白井家ももう全く没落だと思ってるのである。