Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くらのにかい
蔵の二階
豊島 与志雄
Lisez 蔵の二階 (くらのにかい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 351 caractères · 27 écrans
戦時中、地方へ疎開することが問題になったが、カヨはどうしても自家を離れたがらなかった。利根川べりの知人の家に適当な室が見付かって、東京からさほど遠くもないのに、彼女はそこへ行くことを承知せず、ごたごたした揚句、久子だけが幼児を連れて疎開することになった。それも、東京空襲が始まってからのことで、荷物はもう余り運べなかった。それから家には、罹災者の寄寓がふえ、遂には家も焼けてしまった。直接に焼夷弾を受けたのではなく、つまり類焼ではあったが、桂介は老母を連れて避難するのにたいへん苦労をした。
自家のその焼け跡に、土蔵が破損しながらも立ち残ってるのを見て、カヨは眼に涙をためて喜んだ。
「土蔵が残ったよ、土蔵が。」
そして終戦後、焼け跡に小さな家でも建てようかという話になった時、カヨは断然反対し、土蔵の中に住めばよいと主張した。他の家作も炊けてしまい、資産も心もとなかったので、桂介はそれに同意して、土蔵の内部を改造し、一家中で住むことになった。――その時から、カヨは一人で二階を占領し、そこに腰を据えてしまったのである。
あちこちに、新築の家がふえていった。