Classiques japonais avec furigana
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そばのあじとくいかたもんだい
蕎麦の味と食い方問題
村井 政善
Lisez 蕎麦の味と食い方問題 (そばのあじとくいかたもんだい) de 村井 政善 (むらいまさよし) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 676 caractères · 22 écrans
家の内の拵えは今と大差なく、やはり切り落としの土間になっていて、そこに八間がついていました。この八間というのは、今の人々にはちょっと分りにくいけれども、いわば大きな紙の傘で、その下に土瓶形をした金物の油つぼがあって、その口へ火がついているのです。油煙がどんどん出るので、八間へ張った紙はすぐにくすぶったものであります。蕎麦屋とか湯屋のあかりは皆これであったのであります。
蕎麦は手打ち、うでて「しゃっきり」と角があって、おつゆをかけて出されてもきらりと光っていたものであります。「かけ」の丼は八角の朝顔形で、蒸籠も今のとはちょっと違って、あの四角の端に耳が出ていました。つまり井桁に組んであって、あげ底に細い竹が薄く簀のように作りつけになっていました。この頃は、竹の簀もしごく手軽になっていますが、あんなものでなかったのです。
手で粉をこねて延し、さくりさくりと切った蕎麦でありました。今のように機械でずるずる出て来るのと違って風味がありました。「笊蕎麦」というのは、通常のところにはなく、竹あみの一枚笊へ盛って出すので、海苔なんかかかっているものではなかったのです。