Classiques japonais avec furigana
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うすこうばい
薄紅梅
泉 鏡花
Lisez 薄紅梅 (うすこうばい) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 61 133 caractères · 122 écrans
」
しごいて、引いて、幾重にも巻取るようにした指を、離すと、すっと解けて頬を離れる。成程、渚のではない。その渚が――女だ、髪にはどこまでも目が繊細い――雪を透かして、
「まあ、長い、黒い、美しい……どこまでも雪の上を。――月村さん、あなたのですよ。」
「いいえ、私。」
「良い薫もするようです。どこかに梅かしら。それ、そうですとも。……頭巾をこぼれて、黒く一筋。」
「すこしは長いといいますけれど、薄いほどだって言われますもの。」
と頭巾を解き、颯と顕われた島田の銀の丈長が指尖とともに揺れると、思わず傘を落した。
「気味の悪い。」
降りしきったのが小留をした、春の雪だから、それほどの気色でも、霽れると迅い。西空の根津一帯、藍染川の上あたり、一筋の藍を引いた。池の水はまだ暗い。
「気味の悪い?……気味の悪い事があるもんですか。手で引いてごらんなさいよ、ね、それ、触るでしょう、耳の下、ちっと横、手繰って。……そう、そう、すらすらと動きますわ、木戸の外の柳の上まで、まあ。」
「私どうしましょう。」
「結構じゃありませんか、あなたの指から、ああ鬢の中へ。」
と、相傘するまで、つと寄添う。