Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

とうじゅうろうのこい

藤十郎の恋・恩讐の彼方に

菊池 寛

Lisez 藤十郎の恋・恩讐の彼方に (とうじゅうろうのこい) de 菊池 寛 (きくちかん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 37 146 caractères · 74 écrans

Aozora Bunko

彼は弥助の顔を見たときに、烈しい憎悪が、胸の裡に湧いた。大切な場合に自分を裏切っていながらまだ身の振方をでも相談しようとするらしい相手の、図々しい態度を見ると、彼はその得手勝手が、叩き切ってやりたいほど、癪に障った。

「俺、よっぽど草津から越後へ出ようと思ったが、よく考えてみると、熊谷在に伯父が居るのだ、少しは、熊谷は危険かも知れねえが、故郷へかえる足溜りには持って来いだ。それで俺も武州の方へ出るから、途中まで付き合ってくれねえか」

九郎助は、返事をする事さえ厭だった。黙ってすたこら歩いていた。

弥助は、九郎助が機嫌が悪いのを知ると、傍へ寄った。

「俺あ、今日の入れ札には、最初から厭だった。親分も親分だ! 餓鬼の時から一緒に育ったお前を連れて行くと云わねえ法はねえ。浅や喜蔵は、いくら腕節や、才覚があっても、云わば、お前に比べればホンの小僧っ子だ。たとい、入れ札にするにしたところが、野郎達が、お前を入れねえと云うことはありゃしねえ。十一人の中でお前の名をかいたのは、この弥助一人だと思うと、俺あ彼奴等の心根が、全くわからねえや」

黙って聞いた九郎助は、火のようなものが、身体の周囲に、閃いたような気がした。