Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Lisez 虞美人草 (ぐびじんそう) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 198 559 caractères · 401 écrans

Aozora Bunko

小夜子には寄りつけぬ。手を延ばしても届きそうにない。変りたくても変られぬ自分が恨めしい気になる。小野さんは自分と遠ざかるために変ったと同然である。

新橋へは迎に来てくれた。車を傭って宿へ案内してくれた。のみならず、忙がしいうちを無理に算段して、蝸牛親子して寝る庵を借りてくれた。小野さんは昔の通り親切である。父も左様に云う。自分もそう思う。しかし寄りつけない。

プラット・フォームを下りるや否や御荷物をと云った。小さい手提の荷にはならず、持って貰うほどでもないのを無理に受取って、膝掛といっしょに先へ行った、刻み足の後ろ姿を見たときに――これはと思った。先へ行くのは、遥々と来た二人を案内するためではなく、時候後れの親子を追い越して馳け抜けるためのように見える。割符とは瓜二つを取ってつけて較べるための証拠である。天に懸る日よりも貴しと護るわが夢を、五年の長き香洩る「時」の袋から現在に引き出して、よも間違はあるまいと見較べて見ると、現在ははやくも遠くに立ち退いている。握る割符は通用しない。

始めは穴を出でて眩き故と思う。少し慣れたらばと、逝く日を杖に、一度逢い、二度逢い、三度四度と重なるたびに、小野さんはいよいよ丁寧になる。