Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Lisez 虞美人草 (ぐびじんそう) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 198 559 caractères · 401 écrans

Aozora Bunko

ことにさっきの巻煙草入の出所などははなはだ疑わしい。そう云えばこの煙草も何となく妙な臭がするわい」

浅井君はここに至って指の股に焦げついて来そうな煙草を、鼻の先へ持って来てふんふんと二三度嗅いだ。小野さんはいよいよノンセンスなわる洒落だと思った。

「まあ歩きながら話そう」

悪洒落の続きを切るために、小野さんは一歩橋の真中へ踏み出した。浅井君の肘は欄干を離れる。右左地を抜く麦に、日は空から寄って来る。暖かき緑は穂を掠めて畦を騰る。野を蔽う一面の陽炎は逆上るほどに二人を込めた。

「暑いのう」と浅井君は後から跟いて来る。

「暑い」と待ち合わした小野さんは、肩の並んだ時、歩き出す。歩き出しながら真面目な問題に入る。

「さっきの話だが――実は二三日前井上先生の所へ行ったところが、先生から突然例の縁談一条を持ち出されて、ね。……」

「待ってましたじゃ」と受けた浅井君はまた何か云いそうだから、小野さんは談話の速力を増して、急に進行してしまう。――

「先生が随分はげしく来たので、僕もそう世話になった先生の感情を害する訳にも行かないから、熟考するために二三日の余裕を与えて貰って帰ったんだがね」