Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぐびじんそう
虞美人草
Lisez 虞美人草 (ぐびじんそう) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 198 559 caractères · 401 écrans
したがって浅井君はいっこう知らない。ただ断われば済むと思っている。淋しい小夜子の運命が、夫子の一言でどう変化するだろうかとは浅井君の夢にだも考え得ざる問題である。
浅井君が無意味に小夜子を眺めているうちに、孤堂先生は変な咳を二つ三つ塞いた。小夜子は心元なく父の方を向く。
「御薬はもう上がったんですか」
「朝の分はもう飲んだよ」
「御寒い事はござんせんか」
「寒くはないが、少し……」
先生は右の手頸へ左の指を三本懸けた。小夜子は浅井のいる事も忘れて、脈をはかる先生の顔ばかり見詰めている。先生の顔は髯と共に日ごとに細長く瘠せこけて来る。
「どうですか」と気遣わし気に聞く。
「少し、早いようだ。やっぱり熱が除れない」と額に少し皺が寄った。先生が熱度を計って、じれったそうに不愉快な顔をするたびに小夜子は悲しくなる。夕立を野中に避けて、頼と思う一本杉をありがたしと梢を見れば稲妻がさす。怖いと云うよりも、年を取った人に気の毒である。行き届かぬ世話から出る疳癪なら、機嫌の取りようもある。気で勝てぬ病気のためなら孝行の尽しようがない。かりそめの風邪と、当人も思い、自分も苦にしなかった昨日今日の咳を、蔭へ廻って聞いて見ると、医者は性質が善くないと云う。