Classiques japonais avec furigana
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たんぱくせき
蛋白石
宮本 百合子
Lisez 蛋白石 (たんぱくせき) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 056 caractères · 25 écrans
篤さん。」
千世子が咲いた花の様に笑うと部屋中にパッと光線が差しこんだ様に二人には思えた。
むしむしすると云って二人が着て来た羽織をぬぐと前にもまして肩や腰のあたりがすぼけて見え袴の腰板がやたらに固そうに見えて居た。
「やせていらっしゃるんですねえ、
でも骨太だからやっぱり女とは違いますねえ、
目方なんか軽くっていらっしゃるんでしょう。」
自分の肉つきの好い丸っこい肩に両手を互え違えにして体を左右にゆりながら千世子は云ったりした。
女中の持って来た湯気の立つお茶なんか見向きもしないで三人はいつもより沢山しゃべった。
いつも無口な肇は、
「私は今日どうしたんだかほんとうに気が軽いんです、
いくらでも話せそうなんです、
ほんとうに好い天気なんですもの。」
うるんだ様な眼をして軽く唇を震わしながら云って二人に口を開く余地を与えないほど続けていろいろの事を話して聞かせた。
自分がこんな影の多い人間になったのは大変病身だったのでいつでも父母をはなれて祖母の隠居部屋で草艸紙ばっかり見て育ったのとじめじめした様な倉住居がそうしたのだとも云った。
「よく伯父が云いますけど、青白い頸の細い児が本虫のついた古い双紙を繰りながら耳の遠い年寄のわきに笑いもしずに居るのを見るとほんとうにみじめだったってね。