Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
たこのごときもの
蛸の如きもの
豊島 与志雄
Lisez 蛸の如きもの (たこのごときもの) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 085 caractères · 21 écrans
森田が拵えてくれる怪しげなカクテルを飲むことにする。
体も意識も、ふらふらと、明滅する感じだ。
森田が戸外まで送って出て、空を仰ぐ。
「あしたも、天気らしいな。」
独語には、俺は返事をしないことにきめている。第一、天気模様なんかどうだっていいじゃないか。
手っ取り早く、輪タクだ。
体がはいるだけの空間の、その幌の中は、別天地だ。蛸坊主からも脅かされず、沖繩の海からも誘なわれず、俺はうとうとと居眠る。そして夢を見た。
両側に欄干のある、橋らしい大道だ。はっきりした橋ではないが、橋のようでもある。その両方の欄干に沿って、二人の女が歩いている。そぞろ歩きのように、ゆっくりゆっくり歩いてゆく。欄干のつきるところまで行って、左側の女がくるりと振り向き、右側の女もくるりと振り向き、おや、というように軽く会釈を交わす。右側の女の顔は、はっきり見えて、よく識ってるのだが、名前は思い出せない。左側の女の顔は、ただ黒ずんで、なにも見えないが、右側の女と同一人だ。誰だったろう。右側の女が、左側の女の方へ寄っていって、囁くように言う。
「伊佐子さん、御病気でしたって、もうおよろしいの。