Classiques japonais avec furigana
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みつのあわれ
蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
室生 犀星
Lisez 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) de 室生 犀星 (むろうさいせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 88 662 caractères · 174 écrans
嘗て彼は或る知人が三人の女を愛していて、そこに通うことで生きていたが、彼はその三人のうちで誰をあなたは一等愛していられるのか、そのうちの一人を特別に愛しているということはないのかと、問ねて見た事があった。そしてその人の答えは予想外の言葉として、彼に答えるのを聞いた。あなたは嘘だと思われるかも知れないが、三人が三人とも私にとっては同じ愛情を分けることによって、一人をよく思いそれにのみ愛情をそそぐということはない、どれもあわれであり、どれも愛しなければならないために、自分で作った地ごくの中に悶えているのです、一人だけのあわれにとどまっているなら、金をやって別れてしまえばいいのですよ、そういう一人に限られないから私には命がけで三人を一人にして仕えているような始末なんです。一人ずつの持つ女のうつくしさとあわれは、自ら釣り合いを持って惹きおうているようなものです。たとえば一個の壺というものはどこまでも一個の形態ではあるが、二つならべた時に呼びあうような融和がある、二つが一つになった形態を持って迫ることをご存じでしょう、それを一つずつ離して見ることが出来ないまでに、二つが一つになって美しさを競うている場合があるのです、それと同じに、私は三人のうちのどの女とも別れたくないのです。