Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

われはうたえども やぶれかぶれ

蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ

室生 犀星

Lisez 蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ (われはうたえども やぶれかぶれ) de 室生 犀星 (むろうさいせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 45 726 caractères · 90 écrans

Aozora Bunko

まるでフィリッピンから来た男のつらつきであった。カテーテルを除いた私は寝台から猿のように飛び下りたり一息に飛び上ったりする程、快調きわまりない軽いからだつきになって何かが急に食いたくなった。昼食の時、奥テル子のお膳の上を見て、そこに海苔で巻いたおひたしの緑、ゆで卵、焼ざかなのあぶりの照りを眺め、なかんずく若さぎの酢和えが眼をとらえた。つまり奥テル子は私の特等食を毎日食べていて、食慾を失った私はパンの一片と牛乳と卵よりしか、喉にとおしていなかったのだ。私は奥テル子からその若さぎの酢和えを貰い、熱い粥が食べたくなった。粥というもの、飯というものは十年も食わずパン食ばかり続けて来たが、粥がつやのある乳色の趣きをもって、幼穉な食慾をそそった。今までも粥は食べていたが今日ほど切にそれを要求したことがなかった。例の冷蔵庫で冷した水をがぶがぶ飲み、食事はがつがつして相子が到着する午後の五時には、今日何を用意して来たかが待たれた。玉子焼、刺身、煮ざかな、おひたしに干物というふうに、近くの料理屋からの仕出しもならべて、相子は弁当箱を用意して向う側にある晩は寝台に早変りする深い腰かけに、奥テル子とならんで飯を食べていた。