Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みかん

蜜柑

佐左木 俊郎

Lisez 蜜柑 (みかん) de 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 618 caractères · 14 écrans

Aozora Bunko

「なんだけな婆さんは、枕、こんなに濡らして……」

お美代はこう言って、お婆さんの白髪頭を持ち上げ、濡れた枕を裏返しにしてやった。

「すぐわぐがら……」

お美代はすぐ囲炉裏端へ引き返した。

台所で器物を探す音がしばらくしていた。そしてお美代の持って来た茶碗の中には、その底にぽっつり味噌が入っていた。

「味噌湯の方、身体温まっていがんべから……」

お婆さんは床の上に起きかえって、茶碗を、両手で捧げるような手付きで、フウフウと吹きさましながら、続けて二杯も呑んだ。

「ああ、美味がった。甦えったようだちゃ。身体も温まって……」

「ほんでは、これでいいが婆さん。」

お美代は、持ち上げられて隙間の出来た布団を、上から押し付けてやった。

「死んでも忘れねえぞ、お美代。」

「寒ぐねえが、婆さん。」

「なあ、お美代、大崎さは行ぐなよ。なんでもいいから、楽の出来っとごさ行げ。俺死ぬ時、汝は、町場さ嫁にやるように遺言して死ぬがら……」

「俺、大崎など、死んでも行がねえ。婆さんは、まだ枕こんなに濡らして。」

お婆さんの枕は、またぐっしょりになっていた。お美代は自分の手拭いを四つに折って敷いてやった。