Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かにこうせん

蟹工船

小林 多喜二

Lisez 蟹工船 (かにこうせん) de 小林 多喜二 (こばやしたきじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 61 890 caractères · 125 écrans

Aozora Bunko

ひょいと眼をさますと、「まだやっている」のが耳に入った。――もう夜が明けるんではないか。誰か――給仕かも知れない、甲板を行ったり、来たりしている靴の踵のコツ、コツという音がしていた。実際、そして、騒ぎは夜明けまで続いた。

士官連はそれでも駆逐艦に帰って行ったらしく、タラップは降ろされたままになっていた。そして、その段々に飯粒や蟹の肉や茶色のドロドロしたものが、ゴジャゴジャになった嘔吐が、五、六段続いて、かかっていた。嘔吐からは腐ったアルコールの臭いが強く、鼻にプーンときた。胸が思わずカアーッとくる匂いだった。

駆逐艦は翼をおさめた灰色の水鳥のように、見えない程に身体をゆすって、浮かんでいた。それは身体全体が「眠り」を貪っているように見えた。煙筒からは煙草の煙よりも細い煙が風のない空に、毛糸のように上っていた。

監督や雑夫長などは昼になっても起きて来なかった。

「勝手な畜生だ!」仕事をしながら、ブツブツ云った。

コック部屋の隅には、粗末に食い散らされた空の蟹罐詰やビール瓶が山積みに積まさっていた。朝になると、それを運んで歩いたボーイ自身でさえ、よくこんなに飲んだり、食ったりしたもんだ、と吃驚した。