Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はえおとこ

蠅男

海野 十三

Lisez 蠅男 (はえおとこ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 118 129 caractères · 237 écrans

Aozora Bunko

起き上ろうとするが、生憎首のところまで砂に埋っており、肩の上からはお竜のはちきれるように肥えた膝頭が、盤石のような重味となって圧しつけているのであった。これでは身動きさえできない。

(参った。――しかしまだ血路の一つや二つはありそうなものだが!)

帆村は全身の血を脳髄のなかに送って、死線を越えようと努力をつづけていた。

「こ、殺される前に――」

と、帆村はふりしぼるような声をあげた。

「しッ、静かにしろ」

と、蠅男は依然として砂のなかから首だけだして眼を剥いた。

「こ、殺される前に、一つだけ聞きたいことがある。く、頸をすこし、ゆ、ゆるめて……」

それを聞くと、蠅男はなに思ったか、お竜の方にそれとサインを送った。その効目か、お竜の指の力は、申訳にすこしゆるんだようだ。

「早く云え」

「うむ」と帆村は喘ぎ喘ぎ「貴様は、なぜあの三人を殺したのだ。鴨下ドクトルと玉屋と塩田先生と、この三人を殺すには定めし理由があったろう。それを教えてくれ」

「そのことか」と蠅男はたちまち見るも残忍な面になって、

「冥土の土産にそれを聞かせてやろうか。鴨下というエセ学者は、五体揃った俺の身体を生れもつかぬこんな姿にしてしまった。