Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はえおとこ
蠅男
海野 十三
Lisez 蠅男 (はえおとこ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 118 129 caractères · 237 écrans
帆村の身体は、いまや軽々と自由になった。
砂の中にもぐりこんだ蠅男の苦しそうな呻き声。だが不死身の蠅男のことであるから、そう簡単に、砂の中で往生するかどうか。
蠅男は、まるで怒った牡牛のように暴れだし、あたりに砂をピシャンピシャンとはねとばした。この怪魔に対し果して帆村に勝算ありや!
輝かしい凱歌
お竜が腰をおさえ、歯をくいしばっているのは、帆村にとってたいへん幸いだった。
帆村は素速く蠅男の背後にまわると、湯交りの砂の中にもがく蠅男を、うしろからグッと抱きあげた。
「ううぬ」
と蠅男は満身の力をこめて、抱えられまいと蝦のようにピンピン跳ねまわった。これを放してはたいへんである。帆村は両腕も千切れよとばかり、不気味な肉塊を抱きしめた。
蠅男は蛇のように首を曲げて、帆村の喉首に噛みつこうとする。
「もうこっちのものだ。じたばたするだけ損だぞ」
この言葉が蠅男の耳に入らばこそ、怪魔はなおも激しく抵抗する。さすがの帆村も、その大力に抗しかねて、押され気味となった。
だが帆村にはまだ、自信があった。
彼は蠅男を抱きしめたまま、悠々と砂風呂の出入口から外へ出た。