Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はえおとこ
蠅男
海野 十三
Lisez 蠅男 (はえおとこ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 118 129 caractères · 237 écrans
「あたし、どうしましょう。婦長さんに叱られ、それから院長さんに叱られ、そして馘になりますわ」
看護婦は、蒼い顔をして崩れるように、椅子の上に身体を抛げかけた。
そのときであった。開いた窓枠に、横合から裸の細長い脚が一本ニューッと現われた。
「アラッ、――」
と看護婦は椅子から飛びあがった。
つづいてまた一本の脚が、すこしブルブル慄えながら現われた。それから黄八丈まがいの丹前が――。
「どうせそんなことだろうと思った。おい帆村君、相変らず、無茶をするねえ」
と、紳士は呆れながらも、まあ安心したという調子でいった。
そのうちに、窓の外から帆村の全身が現われて、ヨロヨロと室内へ滑りおちてきた。
「まあ、帆村さん、貴郎ってかたは……」
と、看護婦が泪を払いつつ、泣き笑いの態で帆村の身体を抱き起した。
「いや大したことはない」と帆村は青い顔に苦笑を浮べていった。「ナニ脳髄に黴が生えてはたまらんと思ったからネ。ちょっと外へ出て、冷していたんだよ。しかしこの病院の外壁と来たら、手懸りになるところがなくて、下りるのに非常に不便にできている。――やあ、これは村松検事どの。