Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はえおとこ
蠅男
海野 十三
Lisez 蠅男 (はえおとこ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 118 129 caractères · 237 écrans
「ちょっと会ってみたいが――」
「そんなら、扉を叩いてみまっさ」
警官が、なんだか合図らしい叩き様で、扉をドンドンドン、ドンドンと叩いた。そして主人の名を大声で呼んでいると、やがて扉の向うで微かながら、これに応える総一郎の喚き声があった。
「――さっき断っときましたやろ。もう叩いたりせんといておくれやす。そのたんびに心臓がワクワクして、蠅男にやられるよりも前に心臓麻痺になりますがな」
主人公は、心細いことを云って、脅えきっていた。正木署長は検事に発声をうながしたが、村松はかぶりを振ってもうその用のないことを示した。で、署長が代って、
「――私は署長の正木だすがなア、なにも変ったことはあらしまへんか」
すると中からは、総一郎の元気な声で、
「ああ署長さんでっか。えろう失礼しましたな。今のところ、何も変りはあらしまへん。しかし署長さん。殺人予告の二十四時間目というと午後十二時やさかい、もうあと三十分ほどだすなア」
「そう――ちょっと待ちなはれ。ウム、今は十一時三十五分やから――ええ御主人、もうあと二十五分の辛抱だす」
「あと二十五分でも、危いさかい、すぐには警戒を解いて貰うたらあきまへんぜ。