Classiques japonais avec furigana
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ちぬられたかいとう
血ぬられた懐刀
国枝 史郎
Lisez 血ぬられた懐刀 (ちぬられたかいとう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 35 586 caractères · 71 écrans
不破小四郎と四人の武士とは、云いつのりながらなだめながら、次第にこっちへ近寄って来る。
と、一所に木立があって、そこの前までやって来た時に、飜然と飛び出した人影があった。同時に月光を横に裂いて、蒼白く閃めくものがあった。と、すぐに悲鳴が起こって、朽木三四郎がぶっ仆れた。すなわち木立から飛び出して来た、覆面姿の侍が、先に立って歩いて来た朽木三四郎を、抜き打ちに切って斃したのである。
「曲者!」と叫んだのは加島欽哉で、太刀柄へ右手をグッと掛けたが、引き抜くことは出来なかった。三四郎を斃した覆面の武士が、間髪を入れないで閃めかした太刀に、左肩を胸まで割られたからである。
「曲者!」とまたも同音に叫んで、山崎内膳と桃ノ井紋哉とが、左右から同時に切り込んで行った。が、それとても無駄であった。片膝を敷いた覆面の武士が、横へ払った太刀につれて、まず内膳が腰車にかけられ、ノッと立ち上った覆面の武士の、鋭い突きに桃ノ井紋哉が、胸を突かれて斃れたからである。
四人を瞬間に打って取った、覆面の武士の腕の冴えには、形容に絶した凄いものがあった。
と、その武士がツと進んだ。