Classiques japonais avec furigana
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ちぬられたかいとう
血ぬられた懐刀
国枝 史郎
Lisez 血ぬられた懐刀 (ちぬられたかいとう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 35 586 caractères · 71 écrans
薄衣の下で身もだえをした。桃色の薄衣が裸休に準じて、蠱惑的の襞を作っている。胸の辺りが果物のように、両個ムッチリ盛り上っていたが、乳房がその下にあるからであった。下腹部の辺りが円錐形に円く、その上を蔽うている薄衣の面が、ピンと張り切って弛みのないのは、食物を充分に食べたがために、事実お腹が弾力をもって、張り切っているがためであろう。延ばされた左右の脚の間が、少し開らけていると見える。そこへ掛けられた薄衣の面が、深い窪味をこしらえている。薄衣は咽喉までかかっていたが、その薄衣から抽たところの、顔の表情というものは、形容しがたく艶麗であった。と、その顔を抑えようとしてか、薄衣の縁から両腕を延ばし、肘から湾のように丸く曲げたが、直ぐに掌で顔を抑えた。と、脇下の可愛らしい窪味が、きわだって黒く見て取れた。
烈しく喘いでいるらしい。胸から胴から下腹部から、延ばされた二本の脚の方へ、蜒のようなものが伝わって行く。のた打っている爬虫類さながらである。
そういうお紅を載せているところの、天鵞※張りの異国風の寝椅子は、先刻から絶間のないリズムをもって、上へ下へと揺れている。