Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こうじん
行人
Lisez 行人 (こうじん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 224 801 caractères · 452 écrans
試に赤い裾から、頭だけ出して眺めると星がきらきらと光った。自分はこんな事をする間にも、下にいる岡田夫婦の今昔は忘れなかった。結婚してからああ親しくできたらさぞ幸福だろうと羨ましい気もした。三沢から何の音信のないのも気がかりであった。しかしこうして幸福な家庭の客となって、彼の消息を待つために四五日ぐずぐずしているのも悪くはないと考えた。一番どうでも好かったのは岡田のいわゆる「例の一件」であった。
翌日眼が覚めると、窓の下の狭苦しい庭で、岡田の声がした。
「おいお兼とうとう絞りのが咲き出したぜ。ちょいと来て御覧」
自分は時計を見て、腹這になった。そうして燐寸を擦って敷島へ火を点けながら、暗にお兼さんの返事を待ち構えた。けれどもお兼さんの声はまるで聞えなかった。岡田は「おい」「おいお兼」をまた二三度繰返した。やがて、「せわしない方ね、あなたは。今朝顔どころじゃないわ、台所が忙しくって」という言葉が手に取るように聞こえた。お兼さんは勝手から出て来て座敷の縁側に立っているらしい。
「それでも綺麗ね。咲いて見ると。――金魚はどうして」
「金魚は泳いでいるがね。どうもこのほうはむずかしいらしい」