Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

Lisez 街はふるさと (まちはふるさと) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 193 435 caractères · 389 écrans

Aozora Bunko

「いま記代子が帰ったところだよ」

「ええ。駅で、お見かけしました」

「どうして一しょに来なかったの?」

「ちょッとほかへ回る用がありましたので」

と、放二はさりげなく答えた。長平の問いかけに深い意味があろうとは思わなかったからである。長平は人のことにはセンサクしない男である。ところが、ちょッと、目が光った。

「記代子は、君が来ないうちに帰るのだと言って、いそいでいたぜ」

「ハア」

「何かあったのかい?」

放二は口をつぐんだ。そして、考えた。思い当ることはあったが、意外でもあった。

昨夜、社がひけて、二人は一しょに家路についた。新宿は二人が別々の方向へ岐れる地点だ。そこで下車してお茶をのんだが、記代子は放二のアパートまで送って行くと言いだした。

放二はその場では逆らわなかったが、駅の地下道へくると、

「ぼく、あなたをお送りします。ぼくが送っていただくなんて、アベコベですから」

放二は他意のない微笑をうかべ、記代子のプラットフォームの方へ進もうとすると、

「いいの!」

記代子がカン高い声でさえぎった。おしとめるように立ちはだかったが、顔の血の気がひいている。ひきつッている。