Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
けいりゃくにじゅうせん
計略二重戦
甲賀 三郎
Lisez 計略二重戦 (けいりゃくにじゅうせん) de 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 953 caractères · 20 écrans
「フフン」シムソンは勝誇ったようにあざ笑いました。「どうだ。この私に手向いしようとしても無駄な事が分っただろう。さあ、そのピストルをこちらへよこせ。よこさないと、この釦を押すぞ」
「嘘だ。嘘だ」道雄少年は必死に叫びました。「そ、そんな事は貴様の出鱈目だ。そんなおどかしには乗らないぞ」
「出鱈目? よろしい。そう云うなら、出鱈目か出鱈目でないか見せてやる」
シムソンは机の上の釦を押しました。
「さあ、耳を澄まして聞いてごらん。地下室に水の流れ出す音が聞えるから」
道雄少年は耳を澄ましました。なるほど、家のどこからか、ジャージャーと云う水の流れ出す音が聞えて来ました。確かに、それは地下室から洩れ聞えて来るのです。その上にジャージャーと云う激しい水の音に交って、う、う、と云う悲鳴のような声が聞えるのです。
「と、止めてくれ。水を止めてくれ」道雄少年は血の気のなくなった唇を噛みしめながら叫びました。「早く、止めてくれ」
「ハハハハ」シムソンは憎々しげに笑いました。「漸く本当だと言う事が分ったか。だが、あわてる事はない。地下室へ水が一杯になるには、二時間位かかる。足から脛、脛から膝、膝から腹と、だんだん水につかって行く気持は、余りよくないだろうけれども、水がいよいよ天井につかえるまでは、呼吸は出来るから死にはしない。