Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かいなべのうた

貝鍋の歌

中谷 宇吉郎

Lisez 貝鍋の歌 (かいなべのうた) de 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 1 770 caractères · 4 écrans

Aozora Bunko

酔い心地も、まず申し分がない。

毎度のことで、われながら少し気もひけるが、細君に筆と紙の用意をさせ、貝鍋を中心に、雑然たる食卓の風景を、墨絵に描く。そして口から出まかせの賛をする。初めにあげた、詩とも、だじゃれともつかぬ妙な文句は、こういうときに書きそえた賛の一例である。

家族が東京へ移ってからは、北海道の貝鍋とは、縁が切れた形である。東京でも、まれには、貝鍋をするが、どうも中身が上等すぎるうらみがある。しかしそれでも、貝鍋にはやはり特殊の風味があって、私は好きである。

同じような鍋ものを、アルミの鍋でやったのでは、ぜんぜん問題にならない。土鍋はアルミからみたら、ずっとよいが、それでも貝鍋には、はるかに及ばないような気がする。心理的なものかもしれないが、ひょっとしたら、貝鍋から、何かその組成の成分がとけ出て、あの特殊な味をそえるのかもしれない。

貝殻の主成分は、もちろん炭酸カルシウムであって、加里や燐酸塩も、少しはいっているが、それはごく微量である。ナトリウムも少量あるが、これは加える食塩の方が、ずっと多いから、問題にする必要はない。一番考えられるのは、カルシウムであるが、これは煮ているうちに、汁の中にとけ出る可能性は、じゅうぶん考えられる。