Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あかいふね

赤い船

小川 未明

Lisez 赤い船 (あかいふね) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.

N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 3 671 caractères · 8 écrans

Aozora Bunko

露子は、ふと、この汽船は遠くの遠くへいくのではないかと思って見ていますと、お姉さまも、またじっとその船をごらんになりました。

「お姉さま、この海はなんという海なのでしょう。」

と聞くと、「この海が太平洋というのですよ。」とお教えくださいましたので、この海をどこまでもいけば外国へいかれるのだろうと思いました。

「あの、赤い船は外国へいくのでしょうか。」

と、露子はお姉さまに問いました。するとお姉さまは、いつもじっとものをごらんになるとき目に涙を浮かべられますが、やはり目に涙をたたえて、

「そうねえ。」

といって、暫時、頭をおかしげになっていましたが、

「ああ、きっと外国へいくんでしょうよ。」

と、やさしくいわれました。

「幾日ばかりかからなければ、外国へいかれませんの。」

と、露子は聞きました。

「幾日も、幾日もかからなければ、外国へはいかれません。幾千マイルという遠くへいくんですもの。」

と、お姉さまはいわれました。

そう思うと、なんとなくあの赤い船が懐かしいのであります。あの赤い船は太平洋を渡って、美しい国へいくのかと思いますと、あの赤い船にどんな人が乗っていて、なにをしているかと考えました。