Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Lisez 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 864 caractères · 44 écrans
――見たばかりで、その病人がもう死にかかっていることはわかった。だが登は規則どおりに脈をさぐり、呼吸を聞き、瞼をあげて瞳孔をみた。
「あと半刻ぐらいだと思います」と登は云った、「意識もないし、もう苦痛も感じないでしょう、半刻はもたないかもしれません」
そして彼は、病人の鼻の両側にあらわれている、紫色の斑点を指さした。
「これが病歴だ」と云って、去定は一枚の紙を渡した、「これを読んだうえで病気の診断をしてみろ」
登は受取って読んだ。
病人の名は六助、年は五十二歳。入所してから五十二日になる。初めは全身の衰弱と軽い腹痛を訴えるだけだったが、二十日ほど経ってから痛みの増大と嘔吐が始まり、食欲がなくなった。吐物は液状になり、帯糸褐色で特有の臭気を放ち、腹部の中央、――胃の下部に腫脹が認められた。五十日を過ぎるころから痛みは腹部全体にひろがって、嘔吐の回数が増し、全身の脱力と消耗がめだって来た。……登はこれらの要点を頭にいれてから、病人の着物を大きくひらいてみた。蒼黒く乾いた皺だらけの皮膚の下に、あらゆる骨が突き出ているようにみえ、腹部だけが不自然に大きく張っていた。