Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Lisez 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 146 caractères · 40 écrans

Aozora Bunko

ように感じた。

おえいは十歳のとき、下谷の蝋燭問屋へ奉公先を替えた。すると半年ほどして、姉が訪ねて来、「勤めが辛いから逃げる」と告げた。おりつは十四歳になっていたが、乱暴を極めた二年余の勤めで、躯はおえいとさして違わないほど、痩せていて小さかった。

――あたしはもうこんな汚れたからだになってだめだけれど、あんたはよく考えて、ばかなめにあわないようにしなさいね。

別れるときに姉はそう云った。

どうしたら親のくいものにならずに済むか、おえいはそれ以来ずっと、そのことばかり考えていた。父と母は相変らず、店へ来ては給銀を借り出していく、おはなの下に、またおすえという妹が生れて、「くらしに困る」というのが母の口実であった。このままでは、自分もすぐ姉のように売られるであろう、どうしたらいいか。そう考えているうちに、ふといい思案がうかんだ。

「お店のある池之端仲町の同じ町内に、松さんというばかがいました」とおえいは続けた、「十七か八でしたが、口も満足にきけず、洟と涎をたらしたまま、いつも町内をぶらぶらしていて、子供たちのほかには誰も構い手がないんです、あたしその松さんのことに気がつきました」