Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちょうじんひげのはかせ
超人鬚野博士
夢野 久作
Lisez 超人鬚野博士 (ちょうじんひげのはかせ) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 59 054 caractères · 117 écrans
「オイ君君……君……ちょっと……」
見ると相当の老人だ。顔が天狗猿みたいに真赤で、頭の毛がテリヤみたいに銀色に光っている奴をマン中から房々と二つに別けている。太眉が真黒で髯は無い。そいつが鼻眼鏡をかけて白い服を着て、紫陽花の横から半身を乗出したところは何となく妖怪じみている。処女見たいな眼を細くして金歯をキラキラ光らしているから一層、気味が悪い。一見して容易ならぬ学者だという事がわかる。
「……君……一つ頼みたい事があるんだが」
学者だけに常識が無いらしい。初対面の人間に物を頼むのに、窓越しに頼むという法は無い。吾輩も腕を組んだまま、振返って返事してやった。
「何の御用ですか」
天狗猿がニッコリと笑った。
「君は実験用の犬屋だろう」
吾輩は面喰らった。そんな商売が在る事を、その時がその時まで知らなかったもんだから思わず自分の姿を見まわした。成る程、煙突の掃除棒みたいな頭に底の無いカンカン帽を冠っている。右の袖の無い女の単物の上から、左の袖の無い男浴衣を重ねて、縄の帯を締めている。河岸の石垣の上から穿いて来た赤い鼻緒の日和下駄を穿いているが、これはどうやら身投女の遺留品らしい。