Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ろじょう
路上
Lisez 路上 (ろじょう) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 43 539 caractères · 87 écrans
一
午砲を打つと同時に、ほとんど人影の見えなくなった大学の図書館は、三十分経つか経たない内に、もうどこの机を見ても、荒方は閲覧人で埋まってしまった。
机に向っているのは大抵大学生で、中には年輩の袴羽織や背広も、二三人は交っていたらしい。それが広い空間を規則正しく塞いだ向うには、壁に嵌めこんだ時計の下に、うす暗い書庫の入口が見えた。そうしてその入口の両側には、見上げるような大書棚が、何段となく古ぼけた背皮を並べて、まるで学問の守備でもしている砦のような感を与えていた。
が、それだけの人間が控えているのにも関らず、図書館の中はひっそりしていた。と云うよりもむしろそれだけの人間がいて、始めて感じられるような一種の沈黙が支配していた。書物の頁を飜す音、ペンを紙に走らせる音、それから稀に咳をする音――それらの音さえこの沈黙に圧迫されて、空気の波動がまだ天井まで伝わらない内に、そのまま途中で消えてしまうような心もちがした。
俊助はこう云う図書館の窓際の席に腰を下して、さっきから細かい活字の上に丹念な眼を曝していた。彼は色の浅黒い、体格のがっしりした青年だった。