Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ろじょう

路上

芥川 竜之介

Lisez 路上 (ろじょう) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 43 539 caractères · 87 écrans

Aozora Bunko

と、野村も広い金釦の胸を俊助の方へ向けながら、度の強い近眼鏡の後に例のごとく人の好さそうな微笑を漲らせて、鷹揚に「やあ」と頷いて見せた。俊助は暖炉の上の鏡を背負って、印度更紗の帯をしめた初子と大きな体を制服に包んだ野村とが、向い合って立っているのを眺めた時、刹那の間彼等の幸福が妬しいような心もちさえした。

「今夜はすっかり遅くなってしまった。何しろ僕等の方は御化粧に手間が取れるものだから。」

俊助と二言三言雑談を交換した後で、野村は大理石のマントル・ピイスへ手をかけながら、冗談のような調子でこう云った。

「あら、いつ私たちが御手間を取らせて? 野村さんこそ御出でになるのが遅かったじゃないの?」

初子はわざと濃い眉をひそめて、媚びるように野村の顔を見上げたが、すぐにまたその視線を俊助の方へ投げ返すと、

「先日は私妙な事を御願いして――御迷惑じゃございませんでしたの?」

「いや、どうしまして。」

俊助はちょいと初子に会釈しながら、後はやはり野村だけへ話しかけるような態度で、

「昨日新田から返事が来たが、月水金の内でさえあれば、いつでも喜んで御案内すると云うんだ。