Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ろじょう

路上

芥川 竜之介

Lisez 路上 (ろじょう) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 43 539 caractères · 87 écrans

Aozora Bunko

」

俊助は思わず声をかけた。と、大井は驚いた視線を挙げて、煙草の煙の立ちこめている珈琲店の中を見廻したが、すぐに俊助の顔を見つけると、

「やあ、妙な所へ来ているな。」と云いながら、彼の卓子の向うへ歩み寄って、マントも脱がずに腰を下した。

「君こそ妙な所が御馴染じゃないか。」

俊助はこう冷評しながら、大井に愛想を売っている給仕女を一瞥した。

「僕はボヘミヤンだ。君のようなエピキュリアンじゃない。到る処の珈琲店、酒場、ないしは下って縄暖簾の類まで、ことごとく僕の御馴染なんだ。」

大井はもうどこかで一杯やって来たと見えて、まっ赤に顔を火照らせながら、こんな下らない気焔を挙げた。

三十一

「但し御馴染だって、借のある所にゃ近づかないがね。」

大井は急に調子を下げて、嘲笑うような表情をしたが、やがて帳場机の方へ半身をじ向けると、

「おい、ウイスキイを一杯。」と、横柄な声で命令した。

「じゃ、至る所、近づけなかないか。」

「莫迦にするな。こう見えたって――少くとも、この家へは来ているじゃないか。」

この時給仕女の中でも、一番背の低い、一番子供らしいのがウイスキイのコップを西洋盆へ載せて、大事そうに二人の所へ持って来た。