Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おどるちへいせん
踊る地平線(上)
谷 譲次
Lisez 踊る地平線(上) (おどるちへいせん) de 谷 譲次 (たにじょうじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 168 926 caractères · 332 écrans
そして犬や猫をさえ激怒させるようなことはしないのが英吉利の紳士だから――見ようと、その映像の本尊たる私は平気以上に平気だ。とは言え、たださえ床屋における私は一ばん弱い瞬間の私だ。私は正直に、このとき私は私のなかの日本人を意識し、三千年の光栄ある歴史を思い、私のうしろにぼうばいたるにっぽんの背景を感じ、この床屋の椅子のうえで、民族代表の重大な責任にいささか身体を硬ばらせていた、と告白したほうがいいかも知れない。つまり、すくなからず気取っていたのである。
公衆のまえで気取ると私は顔面から水蒸気を発散するのがつねだ。ことにその日は暑かったので、私は、鏡のなかの私からぽっぽと湯気が立っているのを見た。
ちょうど客一同のあいだに不自然な沈黙がつづいている最中だった。無言でいることの苦痛な床屋は、私の水蒸気に気がついたのを機会に、それを利用して、ちょっと変なその場の空気を救うべく、えへん! と一つ英語で咳払いしてから直接私へ話頭を向ける。
『お暑うございますな今日は。』
べつに反対すべき理由もないから、私もかるく同意の旨を発表する。
『然り。何と暑き日でこんにちのあることよ!』