Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きんせいかいじんでん

近世快人伝

夢野 久作

Lisez 近世快人伝 (きんせいかいじんでん) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 79 469 caractères · 157 écrans

Aozora Bunko

呆れた」

「ハンボン・エキス……ハハア。リウマチの薬と違いますか」

と武谷博士が大真面目で質問した。

「違います……そのハンボン・エキスの嗅い事というたなら鼻毛が立枯れする位で、それを工合良うビール瓶に詰めて、長崎の仏蘭西人に売りますと、一本一万円ぐらいに売れますなあ。つまり世界第一等の色気の深い香水の材料になります訳で、今の林君の話のスカン何とかチュウ処の鯨よりも日本の鯨の新婚旅行の涎の方が何層倍、濃厚いそうで……」

「オイオイ仁三郎……ヨタもいい加減にしろ」

林技師がタマリかねて口を出した。

「ヨタでも座頭唄でもない。仏蘭西の香水は世界一じゃろうが」

「……そ……それはそうだが……」

「それ見なさい。それは秘密に鯨の涎をば使いよるげに世界一たい。自分の知らん事あ、何でも嘘言と思いなさんな」

「……フーム。何だか怪しいな」

「怪しいにも何も、私は、そのヨダレが欲しさに生命がけでモートル船に乗って随いて行きましたが、その中に又、世界中で私一人しか知らん奇妙な魚類をば見付けました」

「フーン。そんな魚が居るかな」

「居るか居らんか、私も呆れました。鯨の新婚旅行に跟随て行く馬鹿者が私一人じゃないのです。