Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みちづれ
道連
豊島 与志雄
Lisez 道連 (みちづれ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 366 caractères · 37 écrans
「私何だか昔、こんな風にして誰かに連れられて、夜道をしたことがあるような気が致しますの。」
しみじみした調子で彼女は云った。そう云われると僕も何だか、昔そういう風にして夜道をしたことがあるような気がしてきた。然し腕を抱えられてるのは僕の方で、相手はその女じゃないし、道もそのあたりではなかった。誰だったろう、何処だったろう、そんなことがしきりに考えられた。
そのうちに、初め温く柔かだった彼女の腕が、だんだん硬ばって冷くなってきた。
「どうかしたんですか。」
彼女はただ頭を振っただけで何んとも云わない。いろいろ尋ねてみたが、どうしたことか彼女は一言も口を利かないで、頭を打振るばかりである。僕は変に不気味になり出して、それかって彼女を放り出すわけにもゆかないで、とっとっと足を早めると、彼女は足が痛いと云ってるくせに、後れがちにもならないでついてくる。僕もしまいには黙り込んでしまって、木か石をでも引張って歩いてるような気持になった。
そのうちに、道が次第に平になって、彼方のなだらかな山麓に、停車場やそのまわりの小さな町の燈火が、月光に煙ってぼーっと見え出してきた。