Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
えんぽうのはは
遠方の母
小川 未明
Lisez 遠方の母 (えんぽうのはは) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 3 382 caractères · 7 écrans
正ちゃんは、お母さんが、遠いところへいったと聞くと、よく女中の話がわかりました。いつ、その遠いところから、帰ってくるかということも、また、その遠いところというのは、どこだろうということも知らなかったけれど、ただ、ぼんやりと、遠いところへいったのだということだけがわかりました。
正ちゃんは、自分をよくかわいがってくれる女中の脊中にいて、不自由はしなかったけれど、自分にはほかの子供のように、お母さんがないのだと思ったときは、さびしそうにみえました。そして、どんなことを、小さな頭の中で思っているのか、
「お母ちゃん、……お母ちゃん。」といって、小さな掌で、女中の肩のあたりをたたいたのであります。
ある日のこと、もう、夏でありましたから、女中は手にうちわを持っていました。そのうちわは、毎日のように、勝手もとへご用を聞きにくる、出入りの商人が暑中伺いに持ってきたのであって、だれが描いたのかしれないが、若い女の人が、晩方の町を歩いている絵が描いてありました。
女中は、なんということなく、また深い考えもなく、脊中の正ちゃんに、うちわを見せて、
「坊ちゃんのお母さんは、ここにいられますよ。