Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いあいしゅう
遺愛集
島 秋人
Lisez 遺愛集 (いあいしゅう) de 島 秋人 (しまあきと) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 50 488 caractères · 102 écrans
散りかけし山桜あり教誨の聖書読む前に掌に触りたり
水代へるたびに愛しむフリージャの白きが獄の花器にゆれゐつ
巣より来てまろめ造りし掌の穴に入りつつ文鳥甘え啼きする
吹かれつつ苞ぬぎすててかきつばた静もる獄庭の花となりたり
かきつばた花となりたり処刑なく四季の移りの花と安らふ
明けそむる空は晴れなり素透しのガラスが死囚のこころゆすりぬ
手紙の後速達葉書電報と来たりて養母は面会に来る
欲しきものあたふるのみの母なりと養母言ひたまふ優しき母ぞ
藤の花咲けりと笑むに負けまじとあじさゐ咲けりと母に笑み告ぐ
刑死待つ朝あさ愛し金網の目のひとつに見つむ紅ばらの群
こぼれ餌を食みゐる文鳥眺めゐしわが目とあひて掌に来て啼きぬ
処刑死をおそれし夢よ覚悟なく今ある生命独り愛しむ
処刑なく一年過ぎて夏物はいらぬと決めしその夏は来ぬ
ばら紅き獄庭を見てをりほんたうに今年限りの夏かも知れぬ
面会の母を待ち佗び文鳥を掌に呼び嘴のいたづらに笑む
ふる里の写真にうつりをさなき日親切受けしつり具店ありき
夏を病む頬に来てゐし文鳥が啼きつつわれの足指噛める
還らぬを恋ふる秋なり鳳仙花さ獄庭にあかく濡れて咲きたり
おのづから浮びくる笑みまれにあり獄に凉しく虫鳴きそめぬ