Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

のわき

野分

山本 周五郎

Lisez 野分 (のわき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 401 caractères · 42 écrans

Aozora Bunko

と云ってそこへ拡げたのを見ると、羽折から小袖へかけて、背中のところが斜めに五寸ばかり斬裂かれていた。丈右衛門はもちろんのこと、みんな色を変えて、彼の背中へまわった。

「お膚は大丈夫でございますか」「おけがはございませんか」「いちおうお躯を拝見いたしましょう」

又三郎は黙って手を振り、さっさと着替えをしてしまった。どこで斬られたろうと考えてみたが、まるでわからなかった、おそらくあの小男に躰当りを呉れたとき、後ろから抜き打を入れられたに違いない、――一瞬の差だった。そう思ったが、実感がないのでかくべつなんとも感じなかった。彼はその夜、滑稽なほど厳重な宿直の人数に護られて寝た。

朝は暗いうちに起こされた。風呂に入り、月代を剃り、髪をあげ、丸に九耀星の家紋の付いた熨斗目麻裃を着せられた、彼はなにも云わず、人形のようにされるままになっていた。支度はばかばかしく入念だった、丈右衛門が付きっきりで、そこを此処をといじりまわした。それが終ると上段の間に導かれ、上屋敷から来た老職と会った。すべては「親子対面」の手順であるが、彼には興味も必要もないので、躯をそこに置く以外はなにも見ずなにも聞かずに過していた。