Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

のわき

野分

夏目 漱石

Lisez 野分 (のわき) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 93 508 caractères · 189 écrans

Aozora Bunko

と云いながら、墨を磨って、何かさらさらと返事を認めている。

「何の御用ですか」

「ええ? ちょっと待った。書いてしまうから」

返事はわずか五六行である。宛名をかいて、「これを」と出す。細君は下女を呼んで渡してやる。自分は動かない。

「何の御用なんですか」

「何の用かわからない。ただ、用があるから、すぐ来てくれとかいてある」

「いらっしゃるでしょう」

「おれは行かれない。なんならお前行って見てくれ」

「私が? 私は駄目ですわ」

「なぜ」

「だって女ですもの」

「女でも行かないよりいいだろう」

「だって。あなたに来いと書いてあるんでしょう」

「おれは行かれないもの」

「どうして?」

「これから出掛けなくっちゃならん」

「雑誌の方なら、一日ぐらい御休みになってもいいでしょう」

「編輯ならいいが、今日は演説をやらなくっちゃならん」

「演説を? あなたがですか?」

「そうよ、おれがやるのさ。そんなに驚ろく事はなかろう」

「こんなに風が吹くのに、よしになさればいいのに」

「ハハハハ風が吹いてやめるような演説なら始めからやりゃしない」

「ですけれども滅多な事はなさらない方がよござんすよ」

「滅多な事とは。